特別養護老人ホーム 泉音の郷


「泉音の郷」は、長期入所80床、短期入所20床を擁する
規模の大きな特別養護老人ホームで、50名あまりの介護員が働いています。



中井 愛 介護員(2015年入職)

 

全くの未経験から「胸を張れる」仕事に

 

働いて変わった「介護」のイメージ

 

 「最初に就職した会社を退職後、幸泉学園で働いていた友人に誘われて入職しました。仕事でも学校でも介護は全くの未経験で、有ったのは、メディアで見ていた介護の『過酷』なイメージと、子どもの頃に施設に行った時に感じた『何となく怖いな』という思い出だけです」

 

 「ですが、入職してみると印象がガラリと変わりました。少なくとも、イメージしていたほど過酷なわけでもなく、むしろ、入居者様と関わるのがとても楽しいので『この方たちのためなら頑張りたいな』と思える環境です。さまざまな状況にも、職員同士で協力しながら対応するので、『きつい』という感じはしませんね」


                     

分からないことはサッと聞ける

 

 「今は知識も経験もついてきましたが、1年目は何も分からなかったので、対応を間違えることも多くありました。例えば、認知症のある方への対応ですが、『家に帰りたい』と繰り返す入居者様に、最初は『帰れないんですよ』と伝えていました。するとある日、入居者様から『でも、お前は家に帰れるんだろ?』と言われ、口ごもってしまいました」

 

 「困っていた時、先輩はどうすれば良いか教えてくれました。先輩は、何かあればすぐに指導してくださったので、未経験からでも成長することができました。忙しい中なので、じっくり教えるという感じではありませんが、分からないというタイミングですぐにサッと聞いて、教わることは十分できます」

 

 「自分は未経験からのスタートだったので、その分『分からない人の気持ち』が分かると思っています。後輩が入ってきたら、『ここは分からないだろうな』と先回りして、指導していければと考えています」

 

 

「ふだんの仕事では、入居者様に『いつでもあなたの味方だよ』というスタンスで接することを心がけています。入居者様同士で少しトラブルがあって『あの人は……』などと言う入居者様がいらっしゃっても、決して否定はせずに、話を受け止めます。誰かの肩を持つのではなく、全員にそのように接することで、入居者様も皆安心し、ユニットの雰囲気も穏やかになります」

 

 

 「今の自分は、仕事に胸を張って取り組めています。介護の仕事にはさまざまなイメージがあると思いますし、かつての自分のように、あまり良いイメージを持っていない方も多いかもしれませんが、身構えて悪い想像をすることはないと思います。入ってみると印象は全く変わると思いますよ」





向田薫 介護員(2019年入職)

利用者様の気持ちに立った、明るい介護を

 

高齢者の多い街で育ち、

「高齢者の生活を支えているものはなんだろう」と

素朴に思うようになったことが、この仕事に就いたきっかけです。

大学で介護を専門的に学んだ時に「奥深いな」と驚きました。

想像していた以上に考えることが多い世界だと感じ、

この道に進もうと思いました。

 

日々、新しい気持ちで向き合う

 

介護は、人を相手にする仕事だからこその

やりがいと難しさがあります。

初めは接するのが難しかった方でも、

徐々に会話がうまく行って、

介助後に「ありがとう」と言われると嬉しいですね。

 

認知症の症状がある方で、

ある日は機嫌が良くても次の日は怒りっぽい、

という方がおられ、接し方に苦労していたことがありました。

そこで、明るい時は一緒に笑いあい、

怒りっぽい時は穏やかな口調で聞く側に回って

「どうしたんですか」と声をかけるようにする、

というように、その日のご様子によって接し方を変えてみると、

自然なコミュニケーションが取れるようになってきました。

 

私の担当は短期入所のユニットで

入れ替わりが多いということもありますが、

利用者様の状況は日によって違うので、

毎日同じことの繰り返しということは決してなく、

日々新しい気持ちで仕事ができています。

 

一方、まだ難しさを感じることもあります。

例えば、介助を拒否することの多い方への接し方です。

入浴など、どうお誘いするのかもそうですが、

誘うまでの過程についても、ご本人の気持ちに立って、

どうしたら「行くかな」と腰を上げる気分になるかを

考えれば考えるほど、難しいですね。




「自分だったらどう思うか」を心がけて

 

仕事で一番大切にしていることとして、

私は「声のトーン」を意識しています。

どうしても忙しくなったり、慌ててしまったりすると、

それが声にも表れてしまいますが、

それでも「常に明るく」を心がけています。

それは、利用者様を「忙しいのに、呼んで申し訳ない」

「この人、怒っていないかな。不安だ」という気持ちには

したくないからです。

自分だったら、いつも明るく来てくれると呼びやすいと思うので、

安心していただけるように、いつも心がけています。

 

また、利用者様には「窮屈な思いをさせたくない」と常に思っています。

利用者様には「入れられた、閉じ込められた」

と思う方もいらっしゃいます。そういった方には、

声がけを積極的に行い、心に寄り添うようにしています。

お声がけの仕方も、「呼ばれたから行く」ではなく

「話したくなったから来ましたよ」

というメッセージが伝わるように気をつけています。

 

いろいろな先輩から得た気づき

 

1年目は先輩方にとても良く指導していただきました。

介護係長から

「ここの先輩は何回同じことを聞かれても嫌な顔をしないよ」

と言われ、まさかそんなことはと思いましたが、

実際、本当にいい方ばかりで、

質問するたびにやさしくしっかりと教えてくれました。

移乗などで苦労していたのですが、

ある先輩から「人それぞれに合ったやり方の介助がある」と教わり、

チューターの先輩だけでなく、

いろいろな先輩にやり方を教わっていくと、

「あっ、私にはこの先輩のやり方が合っているな」などの気付きがあり、

とても成長させてもらいました。

 

私には将来挑戦したいことがあります。

高齢者介護はもちろんですが、障害者支援にも興味があり、

どちらの事業所もある愛泉会を選びました。

今は介護をもっと究めたいという気持ちですが、

将来的には障害者支援の部門にも挑戦することができればと思っています。